軽度発達障害とは?

軽度発達障害とは、知能が正常範囲にあるにも関わらず、認知、言語、社会性、運動などの機能に遅れがある障害です。 一般的には下記に挙げる自閉症、広汎性発達障害、感情障害、学習症・障害、注意欠如多動症・障害(ADHD)などが代表的です。

学習症・障害

学習症・障害にはいくつかの種類があります。 読字障害、書字障害、習字障害、失読症(ディスレキシア)、聴覚障害、発話障害、算数障害、計算力障害などです。 学習症・障害を持った子供は、平均もしくは平均以上の知能があり、得意分野もあるので、他の子供と見分けがつかないことが多いようです。 「勉強をさぼっている」「のろのろ勉強している」などの誤解を受ける場合もあります。

主な特徴

  • アルファベットやひらがなを覚えるのが遅い
  • 音読をする時に読み間違いをしたり、途中で行き詰ったりする
  • 読んだ内容を理解していない
  • スペルミスが多い
  • 字が汚かったり、鉛筆の持ち方がぎこちない
  • 自分の考えを文字にするのが難しい
  • 言語習得が遅い、もしくはボキャブラリーが乏しい
  • 明瞭な発音ができない
  • ジョークや漫画、皮肉を理解できない
  • 受けた指示をきちんと理解できていない
  • 単語の発音を間違えたり、似たような発音の単語を使ったりする
  • 自分が言いたいことを上手くまとめられない
  • 話をする時の暗黙のマナーがわからない(交互に話すなど)
  • 数字の読み間違えをしたり、算数の記号がわからなくなる
  • 作業をする時、何から始めて何で終らせたら良いかわからない
  • 順序良く話をすることができない、もしくはどこから話を始めてどこで終らせたら良いかわからない

年齢により発達段階が異なります。
同年代の子供と比較した場合の特徴として参考にしてください。

家庭でできること

具体的に誉める
子供が上手くできた時、がんばった時にしっかり誉めてあげましょう。 学習症・障害を持った子供は、他の子供と比べると誉められる機会が少ないので、誉める機会を逃さないことが大切です。 誉める時は「よくやったね」というおおざっぱな表現ではなく、より具体的に「○○○という部分がとっても詳しく書けていてよかったよ」などと、子供ががんばった部分を認めてあげるようにしましょう。
興味を伸ばす
子供が興味を持っているトピックや分野があれば、その興味を伸ばすようにしましょう。 たとえば、恐竜に興味を持っていたら、恐竜の博物館に連れて行ってあげたり、恐竜についての本を買ってあげるようにしましょう。 興味を伸ばすことで、学習症・障害児が勉強嫌いになってしまうことを避けることができます。
最適な勉強環境を作る
どんな子供に対しても最適の勉強環境を作ってあげることは大切ですが、学習症・障害を持った子供にとっては特に重要です。 机や椅子、部屋の温度、文房具の種類など、子供が使いやすいもの、勉強がはかどるものを使うことが大切です。 今使っているもので使いにくいものがないか確認してみましょう。
家のことを手伝ってもらう
家のことを手伝ってもらい、自尊心を高めるようにしましょう。 手順はなるべく簡単にして、一つずつ教えることが大事です。
学校での様子を知る
教師や専門家であっても、学習症・障害を早期発見することは難しい場合があります。 子供の担任の教師とはよく連絡を取り合って、何につまづいているのか、何に時間がかかっているかなどの学校での様子を知り、また子供の心理カウンセラーや教育セラピストなどの専門家から、どんな指導・サービスを受けているのかを連絡するようにすると、より円滑な学校生活を送ることができます。

セラピストからのメッセージ

学習症・障害を持った子供たちは、正しく診断されずに「さぼり癖のある子供」「やる気のない子供」などと誤解をされてしまうことがあります。 本人は一生懸命にやっているのに、障害が原因となって、勉強に追いつけないことがあるので、勉強嫌いになったり自信喪失してしまうことがあります。 具体的にどこでつまづいているのかを理解して、本人のやる気を損なわずに指導が必要です。 教育療法士は、学習症・障害の得意分野を上手く引き出しながら、苦手分野にも対応できる勉強方法を教えます。